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相続税・贈与税

オーナー経営者が遺言書を書かずに死亡してしまった場合の株式の相続

(吉野画伯 提供) オーナー経営者が遺言書を書かずに死亡してしまった場合の株式の相続   質問: 父が100%所有の不動産所有管理会社があります。この度、その父が亡くなりました。遺言書はありません。相続人は、母、子供3人です。分割協議をしますが、会社の運営と株式の承継について、注意することを教えてください。     回答: 被相続人の株式に関し、相続が開始すると、株式の相続につき遺言がない場合には、協議分割をしなければなりません。その分割協議が整うまでは各相続人の相続分に応じた準共有(民264)の状態となります。そのため、母は、2分の1、子供は1人あたり6分の1の持分権割合で、4人による共有となります。 そこで、分割協議が整うまでは、共有の状態が続くため、共有の状態での株主総会への参加となり、その決議をすることになります。会社法106条では「株式が2以上の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者1人を定め、株式会社に対し、その者の氏名または名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利の行使することに同意した場合には、この限りでない。」とされ、もし、会社の取締役が、議決権の権利行使を相続持分権割合で行使することを認めた場合には、例えば、配偶者と子供のうちの1人が同意すれば、株主総数の過半数を確保できますので、取締役の選任、総会決議が可能となります。しかし、会社の取締役が、相続持分権割合での議決権行使を認めない場合には、共有者のうちから権利行使者1人を定め、会社に通知しないと株主権を行使できないこととなります。そのため、株主総会が開催できずに会社運営が進むことになり不正常な状態が続きます。不正常な状態を回避するため、遺産分割協議を速やかに進める必要があります。 なお、会社からの株主に対する通知に関するルールは会社法第126条に定められていますので、その考え方をご紹介致します。 1. 会社は、株主名簿に記載され又は記録した住所に通知をすればよいことになっています。 2. 株式が共有のときは、共有者は、会社が株主に対してする通知または催告を受領する者1人を定め、会社 に対して、その者の氏名または名称を通知しなければなりません。その通知された者を株主としてみなして、1の通知をします。 3. 会社は共有者からの通知がない場合には、会社は共有者のうちの1人にたいして通知または催告をすれば足りることになっています。  

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