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KASUYAの税ブログ

相続税・贈与税

相続手続と相続財産(金融資産)の調査  その4

(吉野画伯 提供) 相続手続と相続財産(金融資産)の調査  その4    質問: 父の相続に際し、預貯金や有価証券が有りますが、通帳がすべて揃っているかわかりません。どのように調べれば、よろしいでしょうか。   回答: 被相続人の金融資産が相続の対象となるのは、相続開始時点の金融資産だけでなく、特別受益に該当する生前贈与財産も相続の対象財産となります。金融資産は生前贈与をするときに利用されるため、受贈者である相続人の受贈財産も対象となります。遺産分割で対象となる特別受益は、「婚姻のための贈与」、「養子縁組のための贈与」、「生計の資本としての贈与」の贈与による財産が該当し、それ以外の贈与は、相続の対象とはなりません。 一方、相続税法では、相続人に限らず、相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該相続の開始前3年内に被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算し、相続税の計算をします。 相続財産の遺産分割協議の対象となる贈与の範囲と相続税の課税対象となる贈与範囲が異なりますので、分割協議の場合の特別受益に該当する金融資産と相続税の対象となる3年内の贈与財産である金融資産は、別々に、把握する必要があります。 相続開始前3年内の贈与財産を把握するため、金融機関との過去の取引通帳の保存がない場合には、「取引明細証明依頼書」を法定相続情報一覧表と相続人の印鑑証明書とを添付して、金融機関に発行依頼を致します。相続税の税務調査へ対処するため、相続開始前6年から10年前に遡って、取引履歴を確認する必要があります。 また、相続時点の金融資産の有高を把握するため、残高証明書と中途解約をした場合の利息計算書の発行も依頼します。なお、残高証明の依頼に関する預金種別は知らない口座の存在があり得るので全口座を対象にしてください。 金融資産のうち、有価証券は、通常、証券会社経由で取引がありますので、証券会社に残高証明書の発行依頼と、相続税評価で必要な、相続開始日の終値、前1ヶ月平均額、前3ヶ月平均額等の評価情報も依頼してください。また、端株は、配当金の支払計算書か株式を管理している信託銀行で残高確認をおこないます。

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