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KASUYAの税ブログ

相続税・贈与税

遺言書の書き方の注意点 その4

(吉野画伯 提供) 遺言書の書き方の注意点 その4   質問: 父は医師で診療所を経営していましたが、突然亡くなってしまいました。相続人は、母と子2人ですが、子は、両人とも医学生です。父の遺言状があり、そこには、診療所を承継した子に診療所の土地、建物、医療設備等を遺贈すると書いてあります。子は医学生のため診療所をすぐには承継できませんし、子のどちらかが引き継ぐかもわかりません。遺言書に基づいた相続はすぐにはできません。どのようにしたらよろしいでしょうか。     回答: 遺言書の内容は、条件(停止条件あるいは解除条件)付遺贈です。すなわち、医師として診療所を承継して初めて、診療所の土地、建物、医療設備の遺贈を受けることができます。遺言は、遺言者の死亡の時からその効力が生じますが、遺言に停止条件を付した場合においては、その条件が遺言者の死亡後に成就したときに、その遺言は、条件が成就したときからその効力を生じる(民985)とされています。 相続人である子供2人は、医学生であるので、医師になる可能性は十二分にありますが、診療所を承継するのか勤務医になるのかは、現段階では未定です。そのため、遺贈義務者(一般的に遺言執行者)やその他の利害関係人は、受遺者(子供2人)に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができます。この場合においては、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思表示をしないときは、遺贈を承認したものとみなします(民987)。そして、遺贈の承認及び放棄の撤回、取消は、撤回することができないとされています(民989)。 もし、子供2人が、診療所を引き継がないことの意思を表明したら、遺言での条件が成就しないこととなるため、遺言はその時点で無効となります。診療所の土地建物、診療設備は、相続人全員が協議分割をすることになります。 あるいは、子供2人が、診療所を承継する意思を持っていて、1人が放棄を選択しない場合には、子2人は条件を満たしますので、2人共有で遺贈されることになります。    

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